大判例

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大阪高等裁判所 昭和26年(う)380号 判決

刑事訴訟法第二七三条第三項によれば「公判期日は、これを弁護人に通知しなければならない」とされている。旧法では弁護人に対しても被告人に対すると同様、これを公判期日に召喚すべく定められていたけれども、現行法の下においては公判期日を通知するを以て足るのであつて、その通知には法律上一定の方式を定めていないから適宜の方法で足りるので、時に応じ文書、口頭、電話等何れの方法を採るを妨げないのである。ところで記録を調査するにその九十三丁に所論昭和二十五年十二月二十五日午前十時の公判期日(判決言渡期日)が荒田書記官補より原審弁護人大森正一に対し、その方法は不明であるけれども兎に角通知された旨が明記されているから、弁護人に通知がなかつたと云う非難は当らない(刑訴規則二九八条参照)。しかも刑事訴訟法第二八九条には弁護人がなければ開廷することができない場合が規定されているけれども同条は事件を審理する場合の規定であるから、判決を宣告する場合には適用がなく、従て弁護人が在廷しなくとも判決の宣告をするを妨げないのである。そして判決の宣告について弁護人の在廷を必要としない以上、これに比べてむしろその重要性の少いと認められる弁論分離決定の言渡について弁護人の在廷を必要とするものとは到底考えられないことである。それ故に仮に所論公判期日について弁護人に対し通知がなかつたとしても、弁護権を不当に制限したものとは認め難く、所論手続上の違法は少しも判決に影響を及ぼさないのである。

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